パトロンとは

お金をくれる人
地方の再開発事業に関わっていて、斜に構えた人からは「地上げ屋」などと言われています。地域のことを考えたら土地を再開発に譲っていただくことが一番なのに、頑固な地主さんは多くて、交渉にはほとほと苦労します。自分の事ではなくて地域のことを考えてください、といつも喉から声が出かかっています。
ある地方の再開発を担当していた時に、そんな感じで土地を譲らない地主がいたのですよね。その土地に何があるのか?と調べてみたら、スナックばっかりでした。こりゃ地主ではなくスナック経営者側から攻めるしかないかな、としばらくそれらの店に通っていたんです。
その中の一つである「スナック鏑矢」のママもやっぱり「地主さんの意向次第」と言うことでした。彼女は若い頃に苦労をしていて見初めてくれたのが地主さんだったのです。そして、彼の土地に念願である自分の店を持たせてもらって、恩義を感じているとのこと。つまり、地主=パトロンなわけですね。単なる賃貸契約ならともかくパトロンとは厄介だなと思いました。パトロンとはお金だけの関係ではないですからね。
で、まあ、ミイラとりがミイラになると言いますか、スナックに通ってママの身の上話を聞いている内に惚れちゃったんですよね。年甲斐もなくお恥ずかしいことです。そして肉体関係も持ちました。パトロンの手前、いいの?と聞きましたが、その地主も立地にあるスナックのママのパトロンになって、とっかえひっかえ寝ているのだから別に構わない、とのことでした。結局、土地買収の話は一向に進まず、僕は定期的に出かけてはママと逢瀬を繰り返す不毛な関係を続けていました。
しかし、ある時、地主の持ち会社が不祥事を起こしてお金が必要になったようで、急転土地売却に応じてくれたのです。それはつまり、立地にあるスナックにも立ち退いてもらうことになります。地主さんの意向次第と言っていたとはいえ、借地権などを主張されたら厄介だなと思ったのですが、どのママも案外とあっさりと応じてくれました。「これでやっと私たちは解放されるのよね」と憑き物が落ちたような顔をしていたママたちの姿が印象的でした。
こうして、再開発が始まりました。ちなみに「スナック鏑矢」のママは別の土地に店を移転して商売を始めています。僕がパトロンになってね。
ブス専男子
デブ専パパとの食事デート